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黒を究めると、色が極まる。 中井精也が語る、SC-PX5VIIの進化。

いままでの鉄道写真のイメージとは一線を画した「ゆる鉄」というテーマを掲げ、日本はもとより世界中の鉄道とその情景を撮り続けている中井精也さん。歴代のプロセレクションをご愛用いただき、写真展では多くの写真を自身でプリントしているとのこと。そんなプロセレクションの性能を知り尽くした中井さんにSC-PX5VIIをお使いいただき、率直な感想を伺いました。

マット紙でも黒がぐっと濃く、カラーが鮮やかになった。SC-PX5VIIが、紙の選択肢を広げてくれたってことですよね。

すでにSC-PX5VIIをお使いだそうですが、これまでのプリンターと比較して、どうですか?

中井
まず、黒が締まった、と思いました。これまで使ってきたPX-7VやPX-5002での出方に不満があったわけではないのですが、このSC-PX5VIIはさらに黒が締まったと思いました。僕はマット紙を使うことが多いのですが、マット紙でも黒がぐっと濃くなったことで、黒の表現が広がりました。それと、カラーが鮮やかになった印象があります。

そうした特長は、どんな絵柄で特に効果的に出ていますか?

中井
例えばこの夜明けの写真。シルエットになっている草などの黒い部分がいい感じに締まっていて、奥に広がる海や空の青がうまく表現されています。こういう深い青がきれいに出るんですよね。出てきたプリントを見て「青色ってこんなに種類があるんだな」って僕が気付かされました。雲が重なっている部分の微妙なグラデーションもきれいです。こういう絵柄だと、普通は撮影時の設定やレタッチでコントラストを調整してからプリントするんですが、SC-PX5VIIはそれをしなくても、こんな仕上がりにしてくれます。

逆に淡い色合いの場合はどうですか?

中井
この満開の桜の写真ですが、これは一般的にいえば、クリスピアなどの光沢紙にプリントすべき写真なんですよ。花の色のクリアさや全体のヌケのよさを求めると、マット紙より光沢紙のほうが向いている。でもマット紙で出しても、こんなにクリアに表現できている。花の色もきれいだし、柔らかいほんわかとした春の光が描けています。黒が締まってコントラストが少し付いた分、桜が浮き出てくるような立体感もありますね。だから本当に、紙の選択肢が広がったってことですよね。これまでは色が沈むとか黒が締まらないという理由でマット紙を使わなかった人も、どんどん使っていける。

中井さんというとカラー写真のイメージですが、モノクロ作品はつくらないのですか?

中井
これまで発表してこなかったんですが、実は、今度のエプサイトでの写真展「à la gare de Paris-パリの駅にて-」では、モノクロも展示します。モノクロ写真をSC-PX5VIIで出してみたら驚きましたよ。例えばこの写真、屋根の部分の黒がしっかり締まっていて、列車の金属の質感がしっかり描けている。マット紙でこういう表現ができるのってすごいなと。黒が締まるといって、黒だけが強いと貼り付けたような変な感じになっちゃうんです。でもこのプリンターは黒から白まできれいな連続性があるから、絵柄の闇の部分が自然にいきてくる。パリの写真は明暗差が大きいものがあって、これまでの「ゆるい」のとは一線を画したものになると思います。これをプリントしてから、モノクロが楽しくなりました。僕も昔、暗室でモノクロ現像していたんですが、そういう人にこそ、インクジェットプリントのモノクロにトライしてみてほしい。あの当時の楽しさをまた味わえると思いますよ。それに、当時最高だと思っていた以上のプリントができますしね。

そのパリの写真展も、マット紙にプリントされるのですか?

中井
これまでの「ゆるい」写真にはマットの風合いが合っていたんですが、今回のパリの写真はそれとは違う表現にチャレンジしていますので「写真用紙クリスピア<高光沢>」も使っています。SC-PX5VIIの黒の濃度と、カラーのバランスのよさは、光沢系の紙でも感じました。これだけきれいなら、光沢紙にもチャレンジしてみたいと思ったんです。また光沢紙は表面が光っている分、照明の影響を受けたり映り込みがあったりしますよね。それが僕は好きじゃなかったのですが、今回あまりその影響を感じなかったんです。だから、光沢紙マット紙、両方を混ぜた形で展示しようと。この写真展は全体のテーマ性というよりも、そのシーンそれぞれを味わってほしいと思ったので、カット毎に絵柄に適した紙を使うということにしたのです。

SC-PX5VIIとの出会いが、中井さんの紙選びや展示方法を変えた?

中井
いや、本当にそうですよ。何度も言いますが、紙の選択肢を広げてくれたんです。僕といえば、優しくやわらかい色で表現した「ゆるい」テイストの写真(「ゆる鉄」)をウルトラスムースファインアートペーパーで出す、というのが定番だったんだけど、今後はウルトラスムースファインアートペーパーで鮮やかな写真を出す、という選択肢もできた。色彩で「ゆるい」を表現するのではなく、鮮やかでも「ゆるい」、シーンとしてのやわらかさや優しさを追求する「ゆる鉄」、そういうのを探していけたら、僕の写真も変わっていくかなと。また、これまでには使ってこなかった紙にも挑戦して、インクジェットでのプリントづくりをさらに楽しみたいですね。今回、他のメーカーさんの紙で出したものを何点か見ましたが、「フレスコジクレー」なんて新しいインクのカラーバランスと紙の風合いとが僕の好みですね。

2009年1月25日、五能線驫木駅。朝の一番列車がホームに入ってきたところ。
「朱色の旧塗装をリバイバルした車両が、たまたまやって来たんです。1分の停車時間が勝負でしたね。海沿いの強い風が吹き付けて、本当に寒い日だったなぁ。でもこういうのをプリントして自分の部屋に飾ったりできるの、最高ですよ」

2012年4月21日、わたらせ渓谷鐵道上神梅~本宿。風のない日だったが、入ってきた列車の風圧で桜吹雪になるのではと、画面を切り詰めてスタンバイしていたら、ねらいどおりに。
「女の子が車内から思わず手を差し伸べているんだけど、撮ったときには気付いてなかった。後で写真を見て、鳥肌立ちましたよ」

2014年12月5日(金)から2015年1月8日(木)まで開催された、「à la gare de Paris-パリの駅にて-」展からの1枚。展示されるほぼすべての作品を、中井さん自らSC-PX5VIIでプリントした。
「駅で繰り広げられる人々のドラマを、スナップしました。おしゃれで部屋に飾りたいと思ってもらえるような写真を、というのが今回のねらいです」

僕の作品の終着駅はプリント。写真に撮ってプリントしてはじめて、撮ったときには気付かなかったことを発見できます。

中井さんはコンスタントに写真展で作品を発表されていて、いつもたくさんの人が集まっていますね。

中井
僕の作品の終着駅ってプリントなんですよね。「こうプリントして飾ろう」とか「こういう写真展にしよう」って考えていると、ウキウキするんです。実際、写真展に来てくれた人たちが「ウェブで見るのとは全然違いますね」「迫力に圧倒されました」って言ってくれるんですよ。やっぱりプリントすると、写真のもっている力も大きくなるんじゃないかな。先ほどの桜のカットも寒い朝の駅のカットもみんなそうですが、写真に撮ってプリントしてはじめて、撮ったときには気付かなかったことを発見できます。動画だと流れていっちゃうけど、写真はじっくりとそのシーンを味わえるじゃないですか。それが写真の力ですよね。だからね、動画より写真のほうが、エライんです!

写真展のプリントも、多くをご自身でつくられていますよね。

中井
どうしても銀塩のときはプロラボにお任せするんですが、本当は自分でやりたいんです。自分以外の人に任せた場合、どこかで妥協してしまう。特にやわらかく色にメリハリのない絵柄は難しくて、僕の思う「ちょうどいい」とは違ってしまって、まず一発では出ない。でもインクジェットプリンターで自分で出せば、好きなようにできます。もう今は、ゆるいのもメリハリあるのも、どの紙でもほぼ一発。焼き直しはほとんどしません。

ご自身でプリントする場合、何枚もテストプリントすることはないんですか?

中井
どう調整すればいいか、もうつかんだので。今、カメラの背面モニタとか、家のモニタとかいろいろあるので、色を判断するの大変じゃないですか。彩度が高いものも多いし。だから僕は、プリントを見ながら、モニタの絵を調整するようにしています。プリントを基準にするんです。モニタとプリンターの色を合わせることに時間とお金をかける人がいるけれど、僕は出てきた物ありきで合わせればいいと思う。不確定な要素が増えていっているからこそ、信頼できるプリンターがあれば、困らないと思います。

中井さんの今後のメイン機はSC-PX5VIIですか?

中井
そうですね。写真展でプリントを見せることを大事にしている僕としては、どんな環境でも見え方が変わらないように配慮してくれている点やブロンジング(注1)が少なくなっている点にも、「わかっているな」っていう頼もしさがあります。表現力も含めて、こういうものが家に置ける時代になったのはありがたいですね。高いなんて言う人もいるけど、きっと満足すると思いますよ。
(注1) ブロンジング:光沢部分に現れる金属的な色。エプソンのEpson UltraChrome K3インクでは、各インクの光沢性を均一にすることでこれを低減している。

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。株式会社フォート ナカイ代表。

「中井精也 × SC-PX3V」インタビュー記事へ >

SC-PX5VIIスペック
Epson UltraChrome K3インク/8色顔料インク/
L判~A3ノビ/解像度5760dpi×1440dpi

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