
東 誠三
Seizo Azuma
発売日:2012.4.20
製品名:ベートーヴェン ピアノソナタ 第5集 友情と恋愛
試聴:~Rondo.Allegretto moderato(mp3形式,550KB)
型番:TYMK-02305
価格:2,730円(税込)
東誠三/ベートーヴェン・ピアノソナタ全集から"第5集CD 友情と恋愛"を2012年4月20日にリリースする。 "第5集CD 友情と恋愛"は、2010年9月12日、福島県三春町「まほらホール」において開催された、東誠三による"第5回ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会"のライブ録音盤である。
曲目は、第4番、第21番「ワルトシュタイン」、第22番そして第24番「テレーゼ」の4曲である。 今回特筆すべきことのひとつに、作曲年代にピアノという楽器の目を見張る進歩があったことが挙げられる。 パリのピアノ製作者であるエラールからベートーヴェンのもとへ最新モデルが届いたのは、1803年8月であった。
この楽器がなかったら、1804年に完成した「ワルトシュタイン」<今回収録>、1805年完成の「熱情」<次回第6集収録予定>という2つの大傑作ソナタは生まれなかったであろう、と謂われる。 第21番「ワルトシュタイン」は、新しい機能を持つエラール製ピアノと、ベートーヴェンの想像力が激突し、火花を散らせているのが眼前に浮かぶような、大きく根源的な喜びに溢れた曲である。 特にハ長調のアルペジオや音階が溢れ出す第2楽章ロンドは本アルバムの聴きどころである。東誠三の指捌きをご堪能いただきたい。
演奏時間こそ短いものの第24番「テレーゼ」も先の傑作大ソナタに比べて遜色はない。若き日のベートーヴェンには決して書くことの出来なかった、憧れ、懐かしさ、ためらいといった思いが綯い交ぜになった情感を、東誠三のピアノが優美に快活に表出する。
東 誠三(ピアノ)
本格派ピアニストとして、近年ますますその評価を高めている東 誠三の音楽は、真摯なアプローチから生まれる洒脱な音色と生命力あふれるダイナミズムによって、各地の聴衆の心を捉えて離さない。
1962年生まれ。スズキ・メソードの片岡ハルコ氏の下でピアノの基礎教育を受けた後,東京音楽大学付属高校から東京音楽大学へと進む。名教授として名高い、井口愛子をはじめ、野島稔、中島和彦の各氏に師事。1983年日本音楽コンクール優勝で注目を浴びた後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に留学し、J・ルヴィエ、J・C・ペヌティエ氏らに師事。日本国際、モントリオール(カナダ)、カサドシュ(アメリカ)、ポッツォーリ(イタリア)など、数多くの国際コンクールに優勝・入賞し、演奏活動に入る。これまでに、ヨーロッパ、北米、中国でリサイタル、オーケストラと共演。国内で1993年日本フィル定期デビュー(ブラームス協奏曲第1番)の後、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、仙台フィル、神奈川フィル、山形交響楽団、九州交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢など、主要オーケストラにソリストとして招かれ、好評を博す。
1998年には、「ショパン 24の前奏曲」の演奏により、第24回ショパン協会賞を受賞。1999年仙台フィル定期演奏会では、広上淳一(指揮)とラフマニノフの協奏曲第3番を共演し、圧倒的な成功を収めた。
ソロ活動の一方、室内楽にも強い意欲を示し、東京フィルコンサートマスター、三浦章宏(Vl)、N響首席、藤森亮一(Vc)と結成した「ボアヴェール・トリオ」での活動をはじめ多くのソリストたちと共演し、絶妙なコラボレーションを聴かせている。また、2008年9月より、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズをスタートさせている。
CDは「ベートーヴェン:悲愴&告別ソナタ、シューベルト:即興曲Op.90」、「ラ・カンパネラ~リスト名曲集」がセイコーエプソンから発売されており、好評を博している。また、「前橋汀子~ヴァイオリン名曲100選」(ソニーミュージック)をはじめ、共演盤も数多い。今後は、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズのライブ録音を、エプソン・クラシックCDコレクションとしてリリースする予定。既に発売された第1弾「~魂に刻まれた音の記憶~」(第1番~第3番収録)、第2弾「若きベートーヴェン〜ウィーンの日々」(第5番~第8番収録)、第3弾「~新たなる道へ~」(第11番~第14番収録)、第4弾「~際立つ個性の迸り~」(第16~18番収録)は、レコード芸術誌にて特選盤、準特選盤に選ばれるなど、いずれも高い評価を受けている。
現在は、活発な演奏活動とともに、東京藝術大学准教授を務める他、国際スズキ・メソード音楽院教授、東京音楽大学非常勤講師として後進の指導も行っている。
「ワルトシュタイン・ソナタ」は、とても快活なソナタである。ハ長調であるだけで、心が浮き浮きする。
~ 中略 ~
このソナタでは、勇壮な第1楽章もいいが、あずまくんの第2楽章ロンドを特に聴いてほしい。
ハ長調のアルペジオや音階がそこかしこに溢れ出してくるこの楽章において、その指捌きの見事なこと! そしてこのソナタは、緩徐楽章が入れ替えられたというミステリーも擁した、魅力的な作品でもある。
野平多美(ライナー・ノートより抜粋)