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ニュースリリース
2008年6月16日
セイコーエプソン株式会社

環境活動の長期的な指針をまとめた「環境ビジョン2050」を策定

セイコーエプソン株式会社(社長:花岡 清二)は、2050年に向けた、環境活動における長期的な指針「環境ビジョン2050」を策定しました。この内容は、6月2日にブリュッセル(ベルギー)で開催したプレス向けフォーラム「Exceeding in Sustainability」において発表しています。

環境ビジョン2050

エプソンは、地球の環境負荷許容量を認識し、世界の誰もがその許容量を等しく分け合うものと考え、2050年に向けて“商品とサービス”のライフサイクルにわたるCO2排出を10分の1にすることを目指します。あわせて、生態系の一員として、地域社会とともに生物多様性の修復と保全を行います。

この「環境ビジョン2050」を実現したエプソンの姿を以下のように設定しました。

  • 商品のライフサイクルにわたるCO2排出が10分の1となっている
  • すべての商品が、再使用・再利用による資源循環の環のなかに組み入れられている
  • エプソンの直接排出するCO2が10分の1、かつCO2以外の温室効果ガスの排出がゼロとなっている
  • 生態系の一員として、地域社会とともに生物多様性の修復と保全を行っている

■策定の背景および考え方

地球が温暖化していること、そして人類の活動がこの温暖化に直接関与していることは、昨年公表されたIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書に明記されています。エプソンは、科学者が発するこのメッセージを真摯に受け止め、地球温暖化をはじめとする気候変動を緩和するためには、その原因をつくっている私たち人類が営むさまざまな活動のあり方を、今すぐに見直す必要がある、と考えました。

気候変動の要因は、人為的に放出されたCO2の量が地球の吸収能力を超え、大気中でのCO2のバランスが大幅に崩れてしまったため、とされています。この崩れたバランスを元に戻すには、私たち人類が排出するCO2の量を、地球が吸収できる範囲内におさめなくてはなりません。

そして、人類が生き続けていくためには、気候変動の緩和が急務であるのと同じように、人類の生存基盤である生態系の衰退をくい止める活動も、今、始めなければなりません。

こうした認識のもとに、これからのエプソンの新しい企業活動のあり方を示すものが、「環境ビジョン2050」です。エプソンはこの「環境ビジョン2050」を今後の企業経営の拠り所として、すべての拠点で、すべての従業員が一丸となって、実現にむけて歩んでまいります。

IPCC第4次評価報告書によれば、地球が吸収できるCO2は約110億トンと言われています。エプソンは「環境ビジョン2050」に衡平性の考え方を取り入れ、この吸収能力の範囲内で、人類は等しくCO2を排出でき、同時に、一人ひとり全員が排出を削減する努力を行わなくてはならない、と考えました。この考え方に基づく、2050年時点でのエプソンが排出を許されるCO2の量は、商品の全ライフサイクル、つまり、取引先様における部品製造からお客様のもとで商品が寿命を迎え、廃棄、回収、リサイクルされるまでのすべてのプロセス、において現状の10分の1となります。

このビジョンは、これまでの活動の延長線のままで達成できるものではありません。しかし、地球環境の危機的状況を見れば、もはや一刻の猶予もないことは明らかであり、“実現できる、できない”という視点ではなく、“企業としてやり遂げなければならないあるべき姿”を、バックキャスティングという考え方に基づき描きました。

エプソンは1988年、技術的な見通しの検討を始める以前に、世界に先駆けてフロン全廃宣言を行いました。今回の「環境ビジョン2050」においても、現時点では達成までの明確な道程は見えていません。しかし、組織の壁を越え、技術者の英知を結集することで目標を1年以上前倒しして1992年10月にフロン全廃を達成したように、これまで培ってきた技術や経験を活かし、くわえて、取引先様や地域の方々、お客様をはじめとするステークホルダーの皆様と、同じ危機意識を分かち合い、ご意見やご協力をいただくことで、あるべき姿へ一歩ずつ着実に近づいていきたいと考えています。

■今後10年間の取り組み

「環境ビジョン2050」の実現に向けて、まず、今後10年間では、以下の4つの施策を展開してまいります。

1.部品製造段階でのCO2削減(徹底的な省エネ、省資源設計)

商品のライフサイクルの中で最もCO2排出の割合が高い部品に起因する環境負荷を低減するために、商品設計時点で、部品の小型・軽量化、部品点数の削減といった根本的な見直しを行い、同時に、取引先様の理解と協力を得ながら、生産拠点の見直し、物流改革を行うことで、これまで以上に環境負荷低減を進めます。

2.商品本体が長期間使われ、エプソンに戻るビジネスモデル開発

商品の長寿命化に加え、リユース、リース・レンタルなどあらゆる角度から効率的な資源循環ができる仕 組みづくりを検討します。

3.専門家集団によるクリーンルームのエネルギー消費半減

エプソンが直接排出するCO2のうち、クリーンルームからの排出量が約30万トンと最も多いため、クリーン ルームを維持するためのエネルギー量を、必要な時間だけ、必要なスペースだけ、必要な量だけに制御 できる技術の開発を、商品製造部門や基礎設備担当部門をはじめ関係部門の専門家たちを集めて進め るとともに、クリーンルームの統廃合などによる効率化の促進も進めます。

4.社員参加の森林づくりや環境活動支援

拠点を置くそれぞれの地域のニーズに合い、かつ社員が主体的に参加できる森林づくりのしくみ構築に各 自治体やNPO・NGOの協力を得ながら取り組みます。また、社員のアイデアを集め、社員が参加できる環 境保全活動を支援します。

この10年計画を、全社をあげて推進していきますが、地球環境に関する学術的な認識の変化や、ステークホルダーの皆様の環境問題への関心度の向上といった、さまざまな要因に都度、柔軟に対応しながら、エプソンの持つポテンシャルを最大限に発揮できる取り組みに進化させていきたいと考えています。

■第三者による客観的視点の導入

「環境ビジョン2050」の策定に際しては、有識者の方々から専門的な立場でのご意見やご助言をいただきました。今後の推進にあたっても、日本、ヨーロッパを中心に、社外の有識者の方々の客観的な視点を常に取り入れてまいります。将来的には環境活動だけではなく、エプソンのさまざまな戦略・施策へも対象を広げ、経営システムのひとつに組み入れていく予定です。

なお、エプソンホームページには、「環境ビジョン2050」の理解を深めていただくための紹介ページを新たに設けています。

日本語:http://www.epson.jp/ecology/next/

英語  :http://global.epson.com/SR/environment/vision/index.html

※ 「環境負荷許容」「生物多様性」「資源循環の環」「衡平性」「バックキャスティング」については用語解説をご参照ください。

以上

用語解説

環境負荷許容量

環境容量のこと。環境負荷物質(環境を劣化あるいは汚染する物質)の収容力を指し、環境を損なうことなく、受け入れることのできる人間の活動または環境負荷物質の量を表す。 「環境ビジョン2050」では、代表的な環境負荷物質としてCO2を取り上げ、地球の自然環境の収容力を環境負荷許容量と想定した。

生物多様性

多様な生物が、それぞれ多様な関係を持ちながら存在していること。
生物多様性に関する条約では「すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」と定義されている。

資源循環の環

商品のために投入した資源を繰り返し、次の商品に再使用、再利用することによって、新たな資源の投入を減らしていくしくみ。

衡平性

ある利益や負担の配分において、関係者が納得する配分の基準。気候変動枠組み条約でも使われている。似た言葉としては、公正(equity)、公平性(fairness)、正義(justice)などがある。今回の「環境ビジョン2050」策定では、衡平性を確保する原則のひとつである平等原則(一人当たり排出量が等しくなるように配分)に則った。

バックキャスティング

あるべき姿、ありたい姿としてのビジョンをまず描き、次にそこへ至るためのシナリオを検討する手法。

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