ニュースリリース
2016年3月17日
会社名 セイコーエプソン株式会社
代表者名 代表取締役社長 碓井 稔
(コード番号:6724 東証第一部)

長期ビジョン「Epson 25」および「Epson 25 第1期中期経営計画」(2016年度~2018年度)の策定について

セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、このたび、2016年度から2025年度の10年間にかけて、エプソンが向かうべき方向である新長期ビジョン「Epson 25」を定め、このビジョンの実現に向け、2016年度を初年度とした3カ年の中期経営計画「Epson 25 第1期中期経営計画」を策定しましたので、お知らせします。

1.長期ビジョン「SE15」ならびに「SE15後期 新中期経営計画」(2013年度~2015年度)の振り返り

2009年度にスタートした長期ビジョンSE15、2013年度から進めてきたSE15後期 新中期経営計画では、エプソンは強みに集中し、既存事業領域におけるビジネスモデル・製品構成の転換、新規事業領域の開拓を行うことで、会社の事業構造を再構築しました。一方、期間内に遂行し切れなかった事業・領域が一部あり、今後の成長のためには、新規事業領域での知見蓄積や、新規・強化領域での販売・サービス機能の拡充が必要であるといった課題も明確になりました。総括すると、各事業における取り組みが成果として表れ、安定的かつ継続的なキャッシュの創出力を構築でき、さらに為替の追い風もあり、業績は大幅な回復を果たしました。

2.長期ビジョン「Epson 25」

エプソンは、事業環境の変化やメガトレンドなどを踏まえ、2025年のビジョンとして長期ビジョン「Epson 25」を制定し、ビジョンステートメントと財務目標を以下のとおり定めました。

(1)ビジョンステートメント

「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する

■エプソンが提供する「省・小・精の価値」

エプソンの強み「省・小・精の技術」に基づいて生み出し、エプソンがお客様にご提供する価値であり、「スマート」、「環境」、「パフォーマンス」に分けられます。

  1. スマート
    「省・小・精の技術」で先鋭化した製品を核に、ソフトウェア技術を極め、いつでもどこでも簡単・便利で安心して製品を使える世界を創る。
  2. 環境
    革新的な「省・小・精の技術」で、製品・サービスのライフサイクルにわたる環境負荷低減をお客様価値として提供し、持続的な発展をもたらす。
  3. パフォーマンス
    「省・小・精の技術」を極めて、高いパフォーマンスの生産性、正確さ、創造性をお客様に提供することで、より高い、新たな価値を創造する。
■人やモノと情報がつながる

情報通信技術の進展により、あらゆる情報がインターネット上でつながるようになることで、サイバー空間はとどまることなく増大していきます。エプソンはリアル世界で実体のある究極のものづくり企業として、「省・小・精の技術」で先鋭化した製品を求心力に、このサイバー空間にいるIT企業と協業し、人やモノと情報をつないで、お客様に「省・小・精の価値」をより高めてご提供します。

■新しい時代を創造する

エプソンは、人々を単純作業や時間とエネルギーの浪費から解放し、お客様がクリエイティブな知の生産性を高め、健康で安心な生活を楽しんだりすることのできる、持続可能で豊かな社会を創り出していきます。

(2)長期ビジョン「Epson 25」における財務目標

2025年度目標 売上収益 1兆7,000億円
事業利益 2,000億円
ROS(売上収益事業利益率) 12%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 15%

※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費および一般管理費を控除して算出。

(3)創出するイノベーションおよび各事業領域のビジョン

■全般戦略

Epson 25では、「インクジェットイノベーション」、「ビジュアルイノベーション」、「ウエアラブルイノベーショ ン」、「ロボティクスイノベーション」という4つのイノベーション領域を定めました。エプソンは、「スマート」、「環境」、「パフォーマンス」という価値をお客様に提供し、各事業領域のビジョンを実現することを通じて4つのイノベーションを起こしていきます。また、各事業を横串にする「人財」、「技術」、「生産」、「販売」、「環境」の事業基盤を情報通信技術の活用を含め一層強化し、Epson 25の実現を支えます。

■各事業領域のビジョン

  1. プリンティング領域(インクジェットイノベーション)
    独創の「マイクロピエゾ技術」を磨き上げ、より高生産性領域へ飛躍する。また、高い環境性能と、循環型の印刷環境をお客様へ提供する。
  2. ビジュアルコミュニケーション領域(ビジュアルイノベーション)
    独創のマイクロディスプレイ技術とプロジェクション技術を極め、ビジネスと生活のあらゆる場面で感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーション環境を創造し続ける。
  3. ウエアラブル領域(ウエアラブルイノベーション)
    ウオッチのDNAを基盤に、正確な時間とセンシングに磨きをかけ個性あふれる製品群を創り出し、さまざまなお客様に着ける・使う喜びを提供する。
  4. ロボティクス領域(ロボティクスイノベーション)
    「省・小・精の技術」に加え、センシングとスマート化を融合させたコア技術を製造領域で磨き上げる。
    そして、それらの技術を広げて、あらゆる領域でロボットが人々を支える未来を実現する。
  5. マイクロデバイス領域(4つのイノベーションを支える)
    エプソン独自のデバイス技術をコアに、水晶の「精」を極めたタイミングソリューション・センシングソリューションと、半導体の「省」を極めた省電力ソリューションにより、通信、電力、交通、製造がスマート化する社会をけん引するとともに、エプソン完成品の価値創造に貢献する。

3.「Epson 25 第1期中期経営計画」

(1)位置付け

Epson 25で掲げたビジョン実現のため、そこに至るまでを3つの期間に分けました。その第1段階が、2016年度から2018年度までの期間の計画となる「Epson 25 第1期中期経営計画」です。第1期は、これまで実行してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、Epson 25の実現に向けた戦略に基づき、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備していきます。

(2)基本方針

「Epson 25 第1期中期経営計画」においては、以下の基本方針に基づき、将来の成長に向けた事業基盤を創り上げていきます。

■「Epson 25 第1期中期経営計画」基本方針

  1. SE15において「転換と開拓」を実現した事業領域は、その優位性をさらに強化し、成長を継続する。
    「転換と開拓」が遅れている事業領域は、すみやかに課題に対応し、成長軌道を確立する。
  2. Epson 25で目指す、「スマート、環境、パフォーマンス」のお客様価値を、製品やサービスの形に創り上げ、成長を確実なものとする。
  3. Epson 25を実現するために、短期的な利益成長を勘案しつつも、必要な経営資源はタイムリーかつ着実に投下する。
  4. 新しいビジネスモデルを早期に確立し、お客様にお届けする仕組みを充実する。

(3)「Epson 25 第1期中期経営計画」における業績目標

項目 2015年度予想※1 2018年度目標※2
売上収益 1兆1,000億円 1兆2,000億円
セグメント プリンティングソリューションズ 7,420億円 8,050億円
ビジュアルコミュニケーション 1,800億円 2,000億円
ウエアラブル・産業プロダクツ 1,760億円 1,950億円
その他調整額 20億円 0
事業利益 820億円 960億円
ROS 7.5% 8%
ROE 11.8% 継続的に10%以上

※1 予想は2016年1月29日時点 ※2 前提レート:\115/US$、\125/EUR

(4)各事業の取り組み

  1. プリンター事業では、製品の魅力度向上でホーム市場での競争優位を確立するとともに、ラインヘッド搭載機種でオフィス市場開拓を軌道に乗せる。
  2. プロフェッショナルプリンティング事業では、ハードウェアで競争優位を確立し、サービスなどの組織基盤を整備し、新規領域での確かな成長を実現する。
  3. ビジュアルコミュニケーション事業では、プロジェクター市場でのプレゼンスをさらに強化するとともに、レーザー光源により新市場での飛躍の道筋をつける。
  4. ウエアラブルプロダクツ事業では、ウオッチの事業基盤を磨き上げ、センシング技術を融合し、個性豊かな製品群を創出し続け、主柱事業としての礎を築く。
  5. ロボティクスソリューションズ事業では、エプソンが保有する技術基盤をベースに、成長に向けた骨格となる事業基盤を創り上げる。
  6. マイクロデバイス事業では、水晶は競争力の強化により、安定的な事業基盤を創るとともに、半導体は新たなコア技術・コアデバイスを創出する。

(5)事業基盤強化

  1. 技術:
    「省・小・精の技術」を磨き、アクチュエーター・光制御・センサー技術を極め、情報通信技術を取り込むことで、新たなお客様価値を創出し続ける。
  2. 生産:
    他社が簡単に真似できない製品を、高い競争力のあるコストと品質で、タイムリーに提供し続ける。
  3. 販売:
    オフィス・産業領域を強化してエリアに最適な販売体制を整備し、マーケットインの考え方で企画品質を向上させ、ブランドイメージを変革する。
  4. 環境:
    製品・サービスのライフサイクル、サプライチェーン全般にわたる環境負荷低減への取り組みを拡大する。

(6)経営基盤強化

経営理念に掲げられた目指す姿を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るため、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現するコーポレートガバナンスの充実・強化に継続的に取り組みます。

具体的には、監査等委員会設置会社への移行および業務執行を担う役員を対象とした業績連動型株式報酬制度の導入を行います。

(7)財務目標

1. キャッシュフローおよび成長投資の考え方

安定的・持続的にキャッシュを創出しつつ、将来成長に向けた戦略的成長投資(研究開発、生産能力増強、情報通信技術強化、省人化、アライアンス、M&Aなど)を継続・強化していきます。

項目 SE15後期 新中期経営計画(予想) Epson 25 第1期中期経営計画
営業キャッシュフロー 3年間累計:3,246億円 3年間累計:3,300億円程度
フリーキャッシュフロー 3年間累計:1,946億円 3年間累計:1,200億円程度

<成長のための投資など>

項目 SE15後期 新中期経営計画(予想) Epson 25 第1期中期経営計画
研究開発費 3年間累計:1,533億円 Epson 25実現に必要な新製品・要素の開発などに積極的に投下
設備投資 3年間累計:1,532億円 3年間累計:2,100億円程度
(開発・生産体制強化など)
M&A 3年間累計:約25億円 Epson 25実現に必要な案件は積極的に実施

2. キャッシュの使途

創出したキャッシュは、成長投資を最優先としたうえで、財務構造強化と同時に株主還元に活用していきます。

目的 主な内容 優先度
成長投資など
  • 通常投資
  • ハードルレートを上回るリターンを生む戦略投資
    (M&Aや販売の基盤構築のための投資を含む)
最優先で対応
財務構造強化
  • 自己資本比率向上のための内部留保
同時並行的に実施
株主還元
  • 積極的な利益配当
  • 機動的な自社株買い

(8)株主還元の基本方針

より積極的な株主還元を実施していきます。

項目 SE15後期 新中期経営計画(予想) Epson 25 第1期中期経営計画
利益配当(連結配当性向) 2015年度:35.7% 中期的には40%(※)程度
自社株買い (実績なし) 株価水準や資金の状況などを総合的に勘案し、必要に応じて機動的に実施

※ 本業による利益を示す事業利益から法定実効税率相当額を控除した利益をベースに算出。

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告無しに生産、販売を終了する場合や、価格、仕様、その他の情報が変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。