2011年10月31日
セイコーエプソン株式会社

スポーツなどの運動解析に最適な無線モーション計測システム「M-Tracer」を開発

~ エプソンの高精度センサーIMUと運動解析・可視化技術を融合 ~

セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、人や物に装着することで、スポーツなどの運動情報を簡単かつ高度に解析できる無線モーション計測システム「M-Tracer(*1)」を開発しました。「M-Tracer」は、当社の高精度・高安定な計測性能を持つ慣性計測ユニット(*2) (以下IMU)と、お客様の用途に合わせて最適化した運動データの解析や3D可視化をするソフトウェア技術を合わせた総合システムで、人の運動解析だけでなく産業・工業機器の運動計測・解析などへの適用も可能です。2012年初めに開発サンプルの提供を開始する予定です。

現在、ジャイロセンサー(*3)や加速度センサー(*4)などの慣性運動を計測できるセンサーは、デジタルカメラなどさまざまな電子機器に搭載されています。しかし、お客様の商品に組み込み、センサー機能を効果的に使用するには、非常に高度な演算処理技術とそれぞれの用途に特化したノウハウが必要であるため、スポーツ、リハビリテーション、産業・工業などの分野においてはセンサー機能の活用はあまり進んでいませんでした。

そこでエプソンでは、センサー機能をより広い分野のお客様が活用できるように、高精度・高安定で角速度と加速度のデータ計測ができるIMUと、運動データの解析や3D可視化をするソフトウェア技術を融合させた無線モーション計測システム「M-Tracer」を開発しました。内蔵したIMUが運動対象の角速度と加速度を正確に計測し、即座にデータを高速無線(Bluetooth)でPCなどに転送し、さらに用途ごとにデータを最適化し、解析・3D可視化を行います。スポーツなどにおいて、信頼性の高いデータを定量分析し、その運動特有の物理量やパターンを把握することで、姿勢や運動軌跡を3D表示で直感的に認識しながら運動効率を高められる適切なフィードバックを得ることなどが可能になります。

当社は、この「M-Tracer」の用途・研究開発をさまざまな分野の有識者と進めています。スポーツバイオメカニクス分野の最先端研究を行っている慶應義塾大学SFC研究所の仰木准教授、太田特任准教授とは、動力学解析に基づく力学的エネルギーの可視化理論(3次元二重振り子理論(*5))の開発、ゴルフスイングにおけるエネルギー伝達メカニズムの可視化、定量化に取り組んでいます。

この研究成果について、10月31日(月)~11月2日(水)に、京都大学にて開催される「機械学会 スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2011」にて、太田特任准教授が論文を発表し、エプソンは本製品のプロトタイプおよびIMUを含むその他の当社システム製品の展示を行う予定です。

エプソンは、2015年度における会社としてのありたい姿を定めた長期ビジョン「SE15」において、時間や圧力、角速度などを計測するセンシングを成長が見込める重要な事業領域と位置付けています。今後も、水晶を素材としたQMEMS(*6)技術を核に、保有する半導体技術やソフトウェア技術との融合をさらに進め、多岐にわたる製品やモジュール・システムなどのデバイスソリューションを提供し、お客様の安心・安全・快適を実現してまいります。

【参考写真】 「M-Tracer」のプロトタイプ

【用語説明】

【慶應義塾大学SFC研究所について】

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の附属研究所として1996年に開設された21世紀の先端研究をリードする研究拠点。SFCにおける教育・研究活動と、産官学および国内外のあらゆる関連活動との双方向の協調関係を育みながら諸科学協調の立場から先端的研究を行い、社会の発展に寄与することを目的としています。

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告無しに生産、販売を終了する場合や、価格、仕様、その他の情報が変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。