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鈴木 芳果「Invisible Worlds | Tokyo」

会期:2016年8月5日~9月1日 日曜休館 8/13(土)~8/16(火)は夏期休館 展覧会情報

人のまなざしをどうすれば「本当」に表現することが出来るのだろうか。
さまざまな人に向き合い、彼らの「今」と「原風景」を見つめる。
そんな行為の中で、鈴木芳果は自分自身への答えを探している。

©Yoshika Suzuki

Interview インタビューコメント

「この作品は、地方から上京してきた人のポートレート、その人が今いる東京の風景、その人にとっての原風景の3枚を1組にしたものです。今いる風景には、その人がよくいる場所を指定してもらって写しました。原風景は、Google Street View™のスクリーンショットでその人の考える原風景の場所を指定してもらい、その画像を使いました。
原風景に興味を持ったきっかけは、私自身の『どこにも所属していない感覚』です。地方から上京してきて、仕事もフリーランス。まるで海の上を小舟で浮遊しているような自己イメージがありました。そこで、ほかの人たちはどうなのだろうと思ったのです。
知り合いを中心に、上京してからある程度の期間が経っている人たちを撮影させてもらいました。原風景や幼いときのことなどを聞きながら進めていくと、みんな出身地について何かしら考えていることがわかりました。

原風景は、辞書的な意味では記憶の中にある一番初めの風景とされています。実際、自分の生まれた場所を挙げる人がほとんどでしたが、中には何カ所もあるという人や出身地とは異なる場所を指定した人、原風景がないという人もいました。強い思い入れがある人もいれば、嫌な記憶を抱えているからと撮影を拒否した人もいました。
今よくいる風景として窓とその外の風景を写しました。その人が自身の内側から外の風景を見ていることのメタファーとして、窓がいいと思ったからです。ポートレートは『見ている』ことを表すために横向きにしました。そして原風景は、その人自身が選ぶことができお互いに共有しやすいという理由でGoogle Street View™の画像にしました。
一気に撮ったのではなく、話を聞き、考えながら制作していった感じで。今までの作品は自分の意識とか内側のことを制作したものが多かったのですが、自分の内側より、身体や環境といった自分の外、他者の視点に関心を向けて撮るのは今回が初めてで、考えることも多く大変でした。
今は展示の仕方を練っているところです。まだ模索中ですが、展覧会でその答えを見てもらえると思っています。

※Google Street View は、Google Inc. の商標です。


©Yoshika Suzuki

スポットライト選考理由

横向きの人物の写真を中心に過去と未来を見せている。3点の間に時間と空間の隔たりのようなものが出てきて、面白い。展示の仕方によっては、作品同士がリンクして見えたり、写っている人物に見る者が自分を重ねて見たりもできる。また単純に、横から人物を写した写真がよく撮れていて、部屋の様子や持ち物などから、〈その人の場所〉としての空間がしっかり見えてくる。

2015年11月選考

鈴木 芳果氏

すずき よしか Yoshika Suzuki

1975年愛知県生まれ、東京都在住。横浜国立大学大学院Y-GSC在籍。写真(撮影)の仕事をしながら、作品制作を行う。2006年、 キヤノン写真新世紀佳作受賞。

トークイベント

開催日時2016年 8月6日(土) 16:00~ (約1時間)
会場エプソンイメージングギャラリー エプサイト
ゲスト西谷真理子(京都精華大学 特認教授)

※入場無料 予約不要
※お席に限りがございます。予めご了承ください。