

© Mitsuhiko Imamori
世界中の昆虫や身近な里山環境を取材し、人間と自然との密接な関わりを美しい写真作品と親しみやすい文章で伝え続けている今森光彦。 今回、今森は特別の許可を得て、2年の歳月をかけて伊勢の森の姿を撮影した。これは神域である森の命の記録である。
2000年の歴史をもち、天照大御神が鎮座する伊勢神宮には、鬱蒼と茂る神宮の森が広がっている。
しかし、そんな森にも危機の時代があった。20年ごとに内宮、外宮の正殿をはじめ、神宮すべての神殿や神宝を新しく作り替える「式年遷宮」のためのヒノキを育ててきた森は、江戸時代のある時期に薪炭林として伐採されすぎたため、生態系のバランスを失ってしまったのだ。そして今、野生のヒノキを復活させるために、森の再生プロジェクトが動き出している。
樹木の伐採を一切行わない神域とは別に、照葉樹と針葉樹との混交林を目指した区域を設け、100年、200年後の遷宮に向けて毎年4000〜5000本の苗木が植えられている。690年の持統天皇の御代に始まり、1300年に渡り営まれる「式年遷宮」は、神宮にとって永遠性を実現する大いなる営みであり、神宮を取り巻く森こそが、その永遠性の源となっているのだ。
「里山の雑木林は人が直接管理していく森だが、伊勢は心を通わせ、見守っていく森」と今森は言う。伊勢の森では、太古から変わることのない、日本の森の姿を見ることができる。そこには自然を畏れ、精神性を求めてきた日本人の心のふるさとがある。
2008年8月9日(土) 11時〜
2008年8月10日(日) 11時〜/14時〜
実施期間:2008年7月5日(土)〜9月7日(日) ※応募締め切り:9月10日(水)必着
上記の期間、「今森光彦写真展」をご覧になる方を対象に、プリントラリーを開催します。各会場内に設置した「カラリオ ミー」でプリントしたものが応募用紙です。プリントの個数に応じて抽選で素敵な賞品をプレゼントします。
■今森光彦(いまもり みつひこ) Mitsuhiko Imamori
1954年滋賀県生まれ。琵琶湖をのぞむ田園にアトリエを構え、身近な里山環境を撮り続ける一方、熱帯雨林や砂漠など、世界中の昆虫を精力的に取材している。