花−神秘の魅惑
The essence of the world in bloom
藤井秀樹 「一花一葉/百花繚蘭」 ロン・ヴァン・ドンゲン 「EFFUSUS」
会期:2007年4月4日(水)〜2007年5月13日(日)

©Hideki Fujii ©Ron van Dongen
会場の様子をご覧下さい。

写真草創期から、花は、写真家たちから、様々な異なるアプローチを受け作品として定着されることによって新しい生命を与えられてきました。フォクス・タルボット、エドワード・ウェストン、ロバート・メープルソープ、荒木経惟……世界的なフォトグラファーによるメモリアルな名作が世に送り出されています。花はなぜそれほどに写真家を魅了するのでしょうか。

藤井秀樹は、ファッションフォトグラファーとして国際的な活躍をつづける一方で、カンボジアの戦渦に病む子どもたちの支援に取り組むなど、社会に貢献するプロジェクトにも積極的に参加しています。
日本固有の伝統・歴史・文化を探求する一方で、木や陶器など多様なメディアへのプリントを可能にする乳剤の開発から生み出された「フジイグラフィ」への取り組み。コンピュータを駆使しつくり上げた90年代の作品には、デジタルとの融和を近未来の写真のあり方にいち早く見いだした先見性がうかがえます。今回の展示作品である「一花一葉」は、野草のあるがままの姿を白バックで繊細に写し取ったフィルムをデータに起こし色味を抑えシンボリックに構築したシリーズ、そして「百花繚蘭」は、マレーシアで生育された特殊な蘭を黒バックで撮影した蘭の記録です。

ロン・ヴァン・ドンゲンの被写体は、自宅の裏庭で種から大切に育まれた植物です。微妙に揺らぐ光をまとった花。その香りに引き寄せられる蜂のように自然にカメラを近付けつつ、微細なテクスチャーを写しとるそのアプローチは、花を巡る時間の推移をフィルムにとじこめていきます。 ドンゲンはエプソンのインクジェットプリンターを用いてオリジナルをプリントしています。恒久的な保存性を与えられ、美しいテクスチャーを持つ彼の作品は、欧米のアートマーケットで高い人気を得ています。今回エプサイトでご紹介する作品は、ジナーの4×5インチカメラとフジクローム(カラーポジフィルム)を用いて撮影、フィルムスキャン、デジタルデータ調整後、エプソン顔料インクプリンターによってファインアート・100%コットン・ラグ・ペーパに出力されています。

藤井秀樹 Hideki Fujii
1934年東京生まれ。
1954年、日本大学芸術学部写真学科入学。秋山庄太郎に師事。
1960年、日本デザインセンタ設立とともに入社。1963年、フリーとなる。
1965年、スタジオ・エフ設立。作品集・個展多数。

ロン・ヴァン・ドンゲン Ron van Dongen
1961年ベネズエラ生まれ。
少年時代をオランダで過ごし、生命科学を学んだのち、サンフランシスコ・アカデミー・オブ・アート・インスティテュートを卒業。
現在、アメリカ・オレゴン州ポートランド在住。