15,000作品を超える応募作品
インクジェットプリントによる写真作品づくりを幅広い方々に楽しんでいただく目的でスタートしたエプソンフォトグランプリ。2007年度は応募期間を延長して年間1回の開催とし、デジタルフォトビギナー向けにエントリー部門を新設するなど、大幅にリニューアルして募集を実施した。11月16日の締め切りまでに寄せられたのは、昨年度の7,612作品(※)を大幅に上回る15,020作品。まさにデジタルフォトの王座を決定するにふさわしい、クオリティの高い力作・秀作の数々が集まった。
審査会は田沼武能氏と水越武氏のお二人を審査員に迎え、エプソン販売の会議室で行われた。応募作品を部門ごとに一定の数に絞り込む一次審査は、ヒューマンライフ部門を田沼氏、ネイチャー部門を水越氏、エントリー部門を両氏で担当。経験豊富なお二人ならではの確かな視点で1点1点作品を吟味し、評価を与えていった。
プレゼンテーション力が試される
二次審査はいずれの部門も二人そろっての審査となる。それぞれに同数の付箋が配られ、隙間なく並べられた作品の中で、賞を贈るにふさわしいと判断する作品に付箋がつけられていく。初開催となるエントリー部門は単作品が7割を占め、ふとした瞬間をあたたかくユニークな視点で切り取った作品に評価が集まっていった。
ネイチャー、ヒューマンライフ部門の審査では、今回は組作品の応募が大幅に増え、2Lサイズ100枚以上の量を束ねたもの、大判のパノラマサイズの組作品、手作りの装丁による本形式の作品など、見せ方にもこだわりを持った作品が多い。両氏からも「回を重ねるごとに仕上がりのレベルが上がってきている」(田沼氏)、「見応えのある作品が多い」(水越氏)と驚きの声が上がった。最終的に付箋がつけられたのは、「どの写真を、どのサイズでプリントし、どう提示するか」という総合的な戦略を持った作品ばかり。撮影やプリント技術のレベルが均衡してきただけに、プレゼンテーション力までが試される、よりハイレベルな戦いの場となった。
全体のレベルアップを感じる審査
二次審査を通過したのは各部門40~60の作品。いよいよ各賞を決める最終審査だ。勝ち残った作品がずらりと並ぶ会場を見渡した田沼氏の「この中からグランプリを1点決めないといけないのは、酷だね」という言葉が、最終選考の難しさをうかがわせる。両氏でじっくりと作品を見比べ、幾度も真摯な議論を繰り返し、上位から順にすべての賞を決定。グランプリに選ばれたのは、的確なカメラワークで捉えた野生動物たちを一冊の本として見事にまとめた蛭海啓行さんの「最後の楽園」(ネイチャー部門)、カレンダーというユニークなアイデアで家族写真を魅力的に提示した長吉秀さんの「ファミリーカレンダー」(ヒューマンライフ部門)、猿の親子の毛繕いをあたたかい視線で切り取った宇津宮保さんの「見えないよー・・・・・」(エントリー部門)。いずれも最高位にふさわしい完成度と写真の力を持った作品だ。「完成度はもちろん写真を撮る姿勢も評価の対象にしました」と話す水越氏。「全体のレベルが上がって粒ぞろいだっただけに悩みました」と田沼氏。集中と緊迫の中、長時間に及ぶ審査会はこうして幕を閉じた。
※2006年度は期間内(2006年7月~2007年3月)に2回開催。






