[ babies ]
藤田 幸子Sachiko Fujita
- 280×328mm/50頁作品集


わたしは34歳である。今は適齢期というものがだいぶ遅くなったが、それでも、わたしはいい歳をして結婚をしていない女になってしまったのだ。結婚そのものは、焦っても仕方がないものだが、ただ、人は歳を重ね、精神も肉体も変わる。
わたしは子供を産めないのかもしれない。そう思ったら、不思議と自分を撮りたくなったのだ。
子供を産むか否か、女にとって、それは大きく人生を変える。もし今すぐ、結婚したとして、30代は20代に比べ妊娠しづらくなる。
子供を作ろうと思っていても、なかなか恵まれない人もいる。わたしの友人もなかなか子供が出来ず、深刻であった。
わたしがまだ小さな頃、漠然と当たり前のように「わたしも素敵な人と結婚をして、子供を産んで、幸せになる。」そう思っていた。ほとんどの女の子がそうであろう。子供を産むことについて、今のわたしも、あの頃の小さなわたしも、何も変わらない。漠然と子供を産みたいと思っているのだ。
だからと言って、わたしは本気で結婚相手を探す訳でもなく、日々仕事をし、何かを作ることを考え、ごく日常を過ごしている。いい歳をして馬鹿みたいだが、運命の人に巡り合うことを期待しながら、こうして生活することしか、わたしには出来ないのだ。
わたしがここでやりたかったことは、デジタルでしか出来ない事です。自分自身に向かい合うのに、重くなり過ぎないようにしました。
<審査員講評>
森山わからないんですよね。なんでこれが気になるのか。今、(自分の)気分がこうなのかなとか、そんなことを考えてしまいます。とにかく心に染みるのね。自分のマンションあたり、東京あたりで撮っているわけですね。いま東京では、どこに行ってもきっとこういう情景に満ちているような気がしてきます。つまり、強烈な日常性を感じます。あまり意味的なことではなくてね。
<作家プロフィール>
1974年生まれ。東京都在住。フリーランス。

