
[ けしきおぼゆ ]
富田 彩子Saiko Tomita
- 215×317mm/41頁作品集
ゆるりと時の流れを感ずる。
じっと澄ましてみるとこの都の空気はうす皮一枚隔てて瞑想している様。
うっすら透き通る半紙にプリントしました。
藤原「けしきおぼゆ」というなかなか洒落たタイトルです。こういうものはもう撮り尽くされた感があるのだけれども、表現の方法論によってまた新しいシーンに見えるという、今回の写真作品の中では地味だったが一番可能性を感じました。
今世紀と言ってもいいと思いますがこの世紀のコンテストというのはどうしても、どこか作家にビョウキ性がないと引っかからないというようなところがあります。確かに時代が病んでいるわけだからそういう空気をはらんだものでないとリアリティがないということはある。そこが審査する者として常に悩ましい。健康でいいものというのがないかなといつも思っていました。その意味でこの作品はひとつの救いだった。
それから今の社会というのは常にサプライズを求めているようなところがある。地味ながら味わいが深いという、こういう作品はサプライズの中では埋もれがちだけど、今後はこういう作品がどんどん出てきて欲しいと思います。
1983年生まれ。