[ 生存料金についてのお知らせ ]
小野 麻早Masao Ono
- 360×297mm/169頁作品集

このBOOK形式の写真等は、終わる事のない、入れかえ自由、ハリ合わせ自由、付けたし自由、破壊OK、書きタシ、その他、日々変化しつづけるためのBOOKである。ただし、大きさに限界がある。
デジタルカメラとプリンターで安価に写真制作が出来る事を知ったのは、つい最近。デジカメとプリンターでこれだけ、遊べるとは夢にも思わぬ事、生まれつき無情な私には、もってコイのツールであった。
人は生まれてから、たくさんの世界と接する事になる。特に初期の世界との接しょくは、その人を決定的に、諸感覚を捕らえ、認識し脳にキザミ込む時期であるようだ。
貴方は、世界をいくつお持ちでしょうか。その数が多ければ多いほど、良かれ、悪しかれ、生きがい、感動、喜び、悲しみ、楽しみ、エクスタシー、苦しみ、全てが貴方の人生をオオイツクス。
・・・・いろいろ、ヨケイな事をかいてしまった。私は、その世界の感覚、エタイの知れない事物との関係を表現の動力として、作品を見出したい。
<審査員講評>
森山昭和っぽいにおいとか情感とかいろいろなものがあるけれども、本来的に写真とかカメラというものはいかがわしい装置だと思います。そのいかがわしさがプンプンにおってくるところがいいですね。レンズで写すやばさというかうさんくささが全ページに満ちています。こういった写真のイメージを解読する力をものすごく持っている人だなという気がして、個人的にもこの人すごい、という感じです。
大竹写真をすべてデジタル出力しているというところに、なにか大人の遊びというものを感じさせるんですね。若い人じゃここまでプリンターを使いこなせないと思います。この人なりの生きてきた経験というか、才能と言ってしまうと終わってしまいますが、55歳までここまでのものを作ろうというパワーを持続してきて、50歳を過ぎてプリンターと出会った結晶というか、そういうところが素晴らしいなと思うのです。したたかな人という感じですね。
「好き」のボルテージが強いんです。好きだということが、手法とか材料より勝っているのが伝わってくるのだと思います。こういう世界が本当に好きだと思います。この作品を見て、私もプリンターが欲しくなりました。プリンターでこんなことができるんだということに気づかされました。
藤原この写真集には、いろいろなメディアを切り貼りした以上のリアリティがある。それにはこの若い女性の顔とおそらく彼のお母さんと思える人の顔がすごく効いている。これがないと単なる切り貼りのアートになってしまう。写真に見えるのはアートではなく記録の要素が妙に絡んでいるからだと思う。完成度はすごく高いですが、完成度だけでは強さはともなわないわけで、やはりこれは明らかに写真なんですね。それに昨今は若けりゃ何でもいいという風潮があります。ポッと出てきて大したものをもっていなくてもそのままいけてしまう。若い人の作品というのは溜めがない。この作品にはものすごく溜めがあります。そういう意味での強さ、テンションの張りの持つすごさを持つ、この作品がグランプリになったのはすごくいいことです。
佐藤50歳を超えてわくわくしているというか、おもしろくてしょうがないという、そのエネルギーを感じますよね。それがすごいと思います。いま通常50を越えたら、この先定年退職してどうしようかとか、景気もよくないですし、元気がない人が多いかもしれません。けれども、この人は、わくわくしている、安いデジタルカメラとプリンターを手に入れて、つくることがおもしろくてしかたない。素晴らしい状態だなと思います。それぞれの写真も素晴らしいですよね。こういう作品はつくろうと思ってもなかなかつくれるものではないと思います。
佐内こういうのは結構うまくいかないんですよね。ファイルのビニールを使っていますけれど、たいていこんなにうまくできないですよね。ふつうは失敗するんですよね。それなのに結構うまくいっているんですよね。ポップというか。
<作家プロフィール>
1953年生まれ。 カメラマン。

