CSR・環境

CSRトピックス

2016年8月8日

プリントヘッド輸出の変革による環境負荷低減

鳥海山を望む酒田港

日本をはじめ世界各地に製造拠点と販売拠点を持つエプソンにとって、エコ輸送は重要なキーワードになっています。その取り組みの中で大きな成果を上げた、プリンターの重要なコア部品であるプリントヘッドの輸出方法の改善事例を紹介します。

インクジェットプリントの速度や画質などを向上させ、オフィスから商業・産業までさまざまな分野で活用できる最先端インクジェットプリントヘッド「PrecisionCore(プレシジョンコア)」は、現在国内にある三つの拠点、セイコーエプソン株式会社諏訪南事業所(長野県諏訪郡富士見町)、東北エプソン株式会社(山形県酒田市、以下東北エプソン)、秋田エプソン株式会社(秋田県湯沢市)で生産されています。完成したプリントヘッドは東北エプソンに集約された後、トラック輸送を経て成田空港からインドネシアのプリンター製造拠点へ航空輸送されていました。

PrecisionCoreプリントヘッドは先進のインクジェットプリント技術を搭載しており、量産初期は日々品質の向上活動を行っていました。そのため、改善されたプリントヘッドをいち早く本体に組み込んでお客様に届けたいという思いで、リードタイムの短い航空輸送を選択していました。

2014年に入り品質が安定し、また、約1カ月間高温多湿状態に置かれる海上輸送でもプリントヘッドの品質が確保されることが確認できたことから、コスト・環境負荷の面から輸送方法の最適化を行うため、東北エプソンから約8kmという好立地にある酒田港からの海上輸送を検討してきました。その後、酒田港の設備が充実したことも後押しとなり、その取り組みが一気に加速しました。

海貨業者とバンニング手順をチェック

海上輸送を行う上でもう一つの課題となっていたのがコンテナバンニング(コンテナへの積み込み)でした。東北エプソンの物流部門にはそのノウハウが無かったため、海貨業者(海運貨物取扱事業者)に協力いただき、それぞれの役割と手順を明確化し、教育を行うことから着手しました。また、酒田税関での輸出申告開始に伴い、山形県や東京税関酒田税関支署とともに酒田港からの輸出体制を整えました。

酒田港から輸出されるコンテナ

2015年5月、酒田港からインドネシアへ向けて、海上コンテナに積まれたプリントヘッドの輸出が開始されました。この取り組みにより、成田へのトラック輸送とインドネシアへの航空輸送が大幅に減少し、コストとCO2排出量を大きく削減することができました。

海上輸送によるCO2排出量削減効果(t-CO2

* 東北エプソンからインドネシアの首都ジャカルタまで20フィートコンテナを運ぶ際に発生するCO2排出量を算出しています(2015年度実績)。船舶輸送の原単位は一般財団法人日本船舶技術研究協会の原単位を使用しています

当社ロジスティクス企画部長の松島修身は次のように話しています。「お客様への商品提供をストップさせないため、常に最適な物流方法を選択する必要があります。航空輸送は最短な手法でありながら、特に長距離となる国際物流においては環境への負荷が増えることが課題でした。幸い、工場の近隣に港があるメリットを生かすことで環境負荷の低い輸送ルートの構築ができました。また、山形県や酒田港の関係者の皆様から、県の創生につながるとして感謝の言葉をいただくとともに、地域との協力体制を強化できたことも大きな成果であると考えています」

生産管理・調達・ロジスティックス関係者(松島 修身は前列左から2番目)

酒田港は、他社の輸出量の飛躍的な増加を背景に、2015年のコンテナ貨物取扱量が前年比で60%増加し過去最高の2万2,028個(20フィートコンテナ換算)となりました。エプソンは、インドネシアをはじめとするプリンター製造拠点へのプリントヘッドの輸出量増加に加え、今後は大型プリンターの梱包仕様の改善・簡素化の推進と、工場内での自前梱包を実現し、酒田港から海外の販売拠点への輸出を進めていくことで、さらなる環境負荷の低減と地元経済の発展に貢献していきたいと考えています。