2011年3月に発生した東日本大震災により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。
エプソンは東北地方に拠点を持つ企業として、また日本をベースにグローバルに展開する企業として、グループ役員・社員が一丸となり、「お客様のお役に立つ」という使命のもと、その役割をしっかりと果たすことにより、日本経済の復興と世界の発展に貢献してまいる所存です。
エプソンを取り巻く社会の動きはますます加速していますが、そのいくつかの大きな変化の流れと私たちが進むべき方向は同じものだと考えています。まず一つの流れに、世界経済の成長を新興国が牽引しているという事実があります。そして、もう一つの流れが、お客様の環境に対する意識の高まりです。さらに、クラウドコンピューティングやソーシャルネットワークといった、社会構造に変革をもたらすようなインフラの進化という流れもあります。
私たちが強みとする「省・小・精」の技術は、環境への配慮やさまざまな機器のモバイル化といった社会の方向性に合致しています。エプソンは、このような時代のニーズの先端を担う技術を核に据え、変化の流れをしっかりとらえた事業を展開してまいります。
2015年を最終年度とする中期経営計画の2年目にあたる2010年度は、エプソンの持つ強みに経営資源の集中を図りました。
2011年度は、私たちエプソンが新たな成長の方向へ着実に進んでいることを、ステークホルダーの皆様にも実感していただける年にしたいと考えています。
お客様の商品の使い方や必要とされる機能は、国や地域によってさまざまに異なります。多様性を尊重しながらそれぞれのお客様が望まれていることを徹底的に考え抜くことで初めて、新しい商品やビジネスモデルを創りだすことができると考えています。
つまり、エプソンが持つ強みや技術を改めて分析し、きめ細かくカスタマイズすることにより、お客様に心から喜んでいただける商品を創りだすことができると考えています。
また、エプソンは世界中に販売ネットワークやものづくりの基盤を築いてきており、これも私たちの大きな強みであると考えています。
このように、エプソンの持つ強みや事業基盤を十分に活かし、お客様のニーズに応える価値を創造できた証として、私たちはお客様から「利益」を頂戴しています。この利益は、株主の皆様への配当金や税金として社会に還元すると同時に、企業活動を将来に渡り継続していくために投資します。このサイクルは企業として最低限果たさなければならない社会的責任ですが、私たちはより多くのお客様価値を創造し続けることによって、これからも社会とともに発展していきたいと願っております。
エプソンは「世界の人々に信頼される会社」となること、すなわち「信頼経営」を経営理念に謳い、グローバルに事業を展開しています。公正公平な方法を通じて、お客様の期待や想いを超える価値を創造する。そういったことを任せるに足る存在だと世界中の皆様に思っていただける会社になる。こうした想いと決意を込めたエプソンのタグライン「EXCEED YOUR VISION」(お客様の期待や想いを超えて)は、私たちが目指し、果たすべき役割であり、ステークホルダーの皆様へのお約束です。
さらに、世界の皆様からの信頼を得るためには、普遍的な考えや原則に基づいた具体的な行動が必要不可欠です。当社は国連グローバル・コンパクトの10原則を盛り込んだ「企業行動原則」を定め、社員の行動指針を制定し、企業活動のよりどころとして社員に徹底してきました。この原則をすべての社員が共有し、それぞれの信頼される行動を通じて、エプソンがお客様や社会のために「なくてはならない会社」となれるよう、これからも世界中で努力を続けてまいります。
2011年7月
セイコーエプソン株式会社
代表取締役社長